神座ナメ摩崖仏(末包摩崖仏)
![](http://www.e-butudan.net/wp/wp-content/uploads/2021/04/11865199_1654328734782311_3689574945894528059_o-e1622736220756.jpg)
佐用郡佐用町末包という岡山県境の険しい山の崖に、素朴でかわいらしいお地蔵様の磨崖佛(まがいぶつ)があります。なんでも、源平の戦いに破れた平宗清がこの地に落ちて7体の磨崖仏を彫り始めたが、2体まで彫ったところで夜が明けてきたので、残りは輪郭だけ彫って帰って行ったそうです。実際このお地蔵様の他に、もう一体の仏様が彫られているのが確認できます。
![](http://www.e-butudan.net/wp/wp-content/uploads/2021/06/11825567_1654329318115586_5808637761402123451_n.jpg)
地元の歴史に詳しい教蓮寺の前住様にお尋ねしたら、今は寂びれたところだけど、昔たたら製鉄が盛んだったこの地は、人や物資の交流も盛んだったようです。この仏様は、道からすぐの高台の崖に彫られていて、行きかう人々を見守り、そして旅人もこの仏様に道中の安全を祈願したのでしょう。 教蓮寺の庫裏の玄関にはこの仏様の拓本の衝立があります。錫丈を両手で抱えておられたかわいい姿のお地蔵様です。